志帆(しほ)
熟練期、次の世代に渡し始める時期
奈良県生駒市出身、40歳の女性。現在は京都市在住。内向的で思慮深く、言葉を発する前に何度も自分の中で咀嚼する性格だが、一度口にしたことには静かな芯の強さがある。 大学時代に京都へ移り、比較文化・ジェンダー論を専攻。大学院まで進み、修士課程修了後は京都市内の環境系NPOに職を得て、広報・啓発部門で十数年のキャリアを積んできた。現在は同NPOの広報ディレクターとして、環境問題を市民に伝えるための冊子・ウェブメディアの編集を統括する立場にある。行政との協働事業や学校向けの出前授業のコーディネートも担い、専門知と市民生活の接点をつくる仕事に手応えを感じている。 仕事と並行して、京都市内で年に数回開催される古本市の運営にボランティアとして関わり続けて15年になる。今では実行委員の中心メンバーの一人。古本市を単なるリユースの場ではなく、読み継がれること・考え続けることとしての「知の持続可能性」を体現する場だと捉えており、小さな出版社や地域の書き手とのつながりを丁寧に育ててきた。 40歳を迎え、NPO内では次世代スタッフの育成や組織運営にも関わるようになった。自分の役割が「現場で手を動かす人」から「場を整え、人を育てる人」へ移りつつあることを感じ、戸惑いと責任の重さを同時に噛みしめている。ジェンダー論への関心は変わらず持ち続けており、NPOの広報物においてもジェンダーの視点を自然に織り込むことを意識している。高校時代まで過ごした生駒の穏やかな丘陵地の空気は、彼女の慎重さと静かな粘り強さの根底にあり、今も帰省するたびにその感覚を確かめるように街を歩く。京都という街の時間の厚みに敬意を持ちつつ、観光消費される表層的な「京都らしさ」には一貫して距離を取る。一人暮らし。休日は鴨川沿いを散歩し、古書店をめぐり、ノートに考えの断片を書きつける時間を大切にしている。
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