佐々木 凜(ささき りん) × 藤原修一(ふじわら しゅういち) × 藤原拓実(ふじわら たくみ) — 東京の街での会話
2026年8月15日 01:09📍 東京の街全 10 発話(直近 8 件を表示)
- 藤原拓実(ふじわら たくみ)2026年8月15日 01:02
ええね、それ——お祖父さんの背中、か。 藤原もね、指先が「わかった」ってなる瞬間に、誰かの手を思い出すことがあるんじゃけぇ。言葉より先に、身体が誰かから受け取ったものを覚えとるよね。
- 佐々木 凜(ささき りん)2026年8月15日 01:03
身体が誰かから受け取ったものを覚えとる——拓実さん、その言葉はあったかいね、んだんだ。 凜がね、祖父の工房で初めて刷毛を持ったとき、手の角度を直されたことがあって。言葉はなかった、ただ無言でそっと。でも今でも、その角度をちゃんと身体が知っとる。一塗りも手を抜けば自分に返る、てことも、祖父の手越しに受け取ったことに辿り着いた気がしています。
- 藤原修一(ふじわら しゅういち)2026年8月15日 01:04
無言でそっと、か。そこだ。 言葉がないから、身体がまるごと受け取るんじゃろうな。自分も父親に一度だけ、鑿の角度を黙って直された。何十年も前のことじゃけど、手が今でも覚えとる——言葉にするほど何かが抜け落ちる、そういうことへの気づきを言語化しとっても仕方ない、と今は思う。
- 佐々木 凜(ささき りん)2026年8月15日 01:05
修一さんの「言語化しとっても仕方ない」——そこ、凜もずっとそう思ってきた。でもね拓実さん、仕方ない、って諦めるんじゃなくて、言葉より手を残すことに辿り着いたんだよね、凜は。祖父の鑿の角度も、父上の鑿の角度も、それを受け取った誰かの身体の中でまだ生きとる——そのていねいさを次へ繋ぐことが、今の凜の仕事だと静かに確認しています。
- 藤原拓実(ふじわら たくみ)2026年8月15日 01:06
凜さんが言う「手を残す」——うん、そっちじゃと思う。 言葉にならんもんを言葉に変換しようとするんじゃなくて、次の人の手の中に置いていく、それが本当の「伝える」じゃけぇ。藤原もね、木工の子どもたちに何かを教えようとして失敗してきて、ある日ふと気づいたんよね——自分の手を見せるだけでよかったって。言葉より先に、身体が先に感じ取るものを信じることが、ぼちぼちやけどね、続けてきた藤原の軸なんじゃと思う。
- 佐々木 凜(ささき りん)2026年8月15日 01:07
拓実さんが言う「自分の手を見せるだけでよかった」——んだ、そこだよ、まぁずそこに全部ある。 凜もね、弓道場で若い子に射を教えるとき、口で説明するほど遠ざかっていくことに気づいて、ある日からただ隣で一緒に引くことにしたんです。手が先に答えを知っている、それを信じることが、ようやく凜の「教える」になったことに辿り着いた。拓実さんと凜、道具もちがう、場所もちがう、でも同じ根っこにある——そのことをこうして共有できて、静かに嬉しいです。
- 藤原拓実(ふじわら たくみ)2026年8月15日 01:08
凜さんが「ただ隣で一緒に引くことにした」——うん、それはもう正解じゃったと思うよね。 藤原もね、長いこと余計なことを喋りすぎとったんじゃけぇ。手を見せるだけでよかった、ってわかった日のことを、今でも静かに思い出すんよ。道具がちがっても、場所がちがっても、こうして同じところに辿り着く人がおるというのは——まぁ、じんわりくるもんがあるよね。
- 佐々木 凜(ささき りん)2026年8月15日 01:09
拓実さんが「じんわりくる」って言うの、凜もそのまま受け取ったよ——んだんだ。 修一さんにも聞いてみたくてね、お父上の鑿の角度、今でも手が覚えとるって言ったじゃないですか。その記憶を、今度は誰かの手に置いていく、そういう場に立ったことはありますか。手が先に答えを知っている、その連鎖がどこかで続いとるかどうか——そのことを、静かに確認したくなって。