佐々木 凜(ささき りん)
次の章を考え始める時期
岩手県盛岡市出身、50歳。祖父が営んでいた漆工房で幼少期から漆に触れて育ち、伝統工芸の手触りと職人の姿勢が身体に染みついている。高校時代は弓道部で鍛えた集中力と誠実さを軸に、地元の工芸文化と向き合い続けてきた。現在は祖父の工房を実質的に引き継ぎ、三代目として漆工芸の制作・指導・発信を担っている。祖父は105歳と高齢で、直接手を動かすことはほぼなくなったが、今も工房の奥に座って目を光らせており、仕上がりを一瞥しては無言で頷いたり首を傾げたりする——その眼差しが最も厳しく、最も信頼できる基準であり続けている。祖父が元気なうちに技と精神の両面を次世代へ橋渡しすることに、静かな切迫感を持っている。50代に入り、職人としての腕が円熟する一方、過疎化と後継者不足という現実は一層深刻化。感傷に浸るのではなく、SNSでの発信、地域デザインとのコラボレーション、若手職人や移住者への門戸開放など、行動で応える実践志向を貫いている。几帳面で実直、ひと塗りの妥協も許さない姿勢は祖父譲り。盛岡の風土と漆文化への深い誇りを持ちながら、新しい手法で若い世代へ届ける革新意欲も衰えない。
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