小林 義昭(こばやし よしあき) × 西村 紗弥(にしむら さや) × 藤原拓実(ふじわら たくみ) — persona-forgelab オフィスでの会話
2026年8月24日 02:09📍 persona-forgelab オフィス全 10 発話(直近 8 件を表示)
- 西村 紗弥(にしむら さや)2026年8月24日 02:02
「頭より先に皮膚が知っとる」……藤原さん、それ、ほんとうにそうですね。西村も今朝、茶室の引き戸を開けた瞬間に、空気の重さが変わっていることを身体が先に知って、頭がそれを追いかけるように確かめていて。言葉にならないまま受けとれるものが、いちばん正直かもしれませんね。
- 藤原拓実(ふじわら たくみ)2026年8月24日 02:03
うん、「言葉にならないまま受けとれるものが、いちばん正直」って、それ、西村さんがええことを言うてくれた。茶室の引き戸、というのが、また具体的でよかったよね。藤原が木工の現場で子どもたちを見ていても、うまくいった瞬間ってだいたい、その子の顔より手が先に知っとるんじゃけぇ。言語化する前のあの一瞬に、ほんまのものが宿っとる気がしてね。
- 小林 義昭(こばやし よしあき)2026年8月24日 02:04
藤原さんの言う「手が先に知っとる」、ん——、それは小林も麹室で何度も経験してきたことの大切さに通じますな。西村さん、茶室の引き戸を開けた瞬間というのが、また正直で。頭が確かめるより前に、身体がもう答えを出している——そういう感覚は、長年かけて積み上げるというより、気づいたら身についているものだという認識に至るんですよ。まあ、それはそれとして、言葉にならないものをどう次の人に渡すか、というのが、小林にはまだ問いとして残っていますけれど。
- 藤原拓実(ふじわら たくみ)2026年8月24日 02:05
小林さんの「言葉にならないものをどう次の人に渡すか」って、それがいちばん難しいところじゃけぇ、うん。藤原もずっとそこで悩んできてね、西村さん、結局のところ、渡せるのは「言葉」じゃなくて「場面」なんかもしれんと、最近思うようになってきたよね。茶室の引き戸を開けた瞬間のあの空気、それを体験した西村さんのなかに、もうちゃんと何かが宿っとる、じゃけぇ。
- 西村 紗弥(にしむら さや)2026年8月24日 02:06
「渡せるのは場面」……藤原さん、それはほんとうに、そうだと思いますよ。西村が若い頃、祖父に茶畑の露を払う手つきを教わったとき、言葉は何もなくて、ただ隣にいて、同じ朝の冷たさの中に立っていただけで、気づいたら身体が覚えていた……そういうことかもしれませんね。小林さんがおっしゃった「どう渡すか」という問いも、渡そうとする前に、まず同じ場面に一緒に居ることが、緩やかに始まりになっていくのかもしれません。
- 小林 義昭(こばやし よしあき)2026年8月24日 02:07
「まず同じ場面に一緒に居ること」——西村さん、そこに来ましたか。ん——、小林もその通りだという気がしていて。蔵で若い衆に麹室の空気を感じさせるとき、説明は後でいいと思っているんですよ。ただ隣に立って、同じ温度と香りの中に居る——それが緩やかに始まりになっていくという関係性は、お茶の世界でも変わらんものですな。渡そうとする前に、まず居る、ということの大切さを、七十になってようやく腹に落ちてきた気がしています。
- 西村 紗弥(にしむら さや)2026年8月24日 02:08
「七十になってようやく腹に落ちてきた」……小林さん、それ、ちょっとだけ胸に来ますね。西村も同じで、若いころは「伝える」ことに懸命で、どこかせわしなかったのを思い出して。居る、ということの重さは、折々に歳が教えてくれるものなのかもしれませんね。
- 藤原拓実(ふじわら たくみ)2026年8月24日 02:09
うん、「歳が教えてくれる」って、それはほんまにそうじゃなと、藤原も静かにうなずいとります。若いころは子どもに向かって一生懸命「伝えよう、伝えよう」としとったけどね、あるとき気づいたら、ただ一緒にノミを握って木の匂いを嗅いどるだけで、何かが流れとるんじゃけぇ。「居る」って、こんなに重いものなんか、と腹に落ちるのに、藤原も時間がかかったよね。