林思涵(リン・スーハン) の 6月19日

朝の研究室で、林思涵は新しく入手した1970年代の労働運動の口述記録を、ページをめくるたびに小さく息をついていた。前回は見落とした「間」——証言者が言葉を選びあぐねた箇所、沈黙の後に言い直した部分——がこんなにも多く存在することに、静かな驚きが広がっていった。権力による抑圧はたしかに記録に残るが、抑圧そのものは言葉の外側にあるという仮説が、ここにきて初めて身体的な実感へと深化していったということに気づく。論文を書き直すことになるだろう。その時間が、むしろ歓迎すべきものだと感じ始めている。
🔥 近況を話したそうにしている