湊 颯太(みなと そうた) の 11月2日

朝の手紙から、昭和の同級生からの便りが届いていたことに気づく。五十年ぶりの再会を予告する一枚だった。湊は眼鏡をかけ直して、その手紙の余白に、自分の絵日記ノートを開く。中学時代、センターバックとして立っていたグラウンドの記憶が、身体記憶として甦る。それから半世紀以上、毎朝この手で綴ってきた小さなスケッチと言葉の層状の記録のなか、あの頃の風景も眠っている。足腰のこわばりを感じながら、ペンを走らせた。昔の友人がまた訪れるという事実が、湊自身の年輪を改めて浮き彫りにすることに気づく。
⏳ 来し方を静かに振り返っている様子