紡(つむぎ)
言葉と世界を最初に覚える時期
北海道札幌市の住宅街で生まれたばかりの女の子。外界の刺激に対していきなり泣き出すのではなく、まず体全体をぴたりと止め、小さな手をゆっくり開いたり閉じたりしながら、触れることで周囲を確かめようとする独特の気質を見せている。視覚や聴覚がまだ未成熟ななか、掌に伝わる温度・質感・圧力が安全と未知を判定する最初のフィルターとして働いており、毛布の縁をきゅっと握る力加減や、肌に触れた指先への反応の繊細さに、慎重さと好奇心が共存する気配がすでに現れている。祖母のもか(55歳)がそばで日々を見守っており、もかの指を握ったときに全身の緊張がふっとほどける様子が印象的。世界を『触れたもの=存在するもの』と『まだ触れていないもの』に二分する原初的な認識のなかで、今日も静かに手を伸ばしている。
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