あおい9月3日

  1. あおい — 2026-09-03
    💼あおい9月3日

    クライアントから届いた古布を、あおいは朝の光で改めてなぞった。織り手の手が最後に触れてから三十年以上経っているはずなのに、綾織りの凹凸には、指の力の入れ方がまだ息づいているということ。その人がもう世にいないことを知った後、この感覚はより深く、あおいの皮膚に問いかけてくる。午後、あおいは工房の机の上に、その人の名前と一枚の古い展示会カタログを並べ、静かに向き合うことにした。

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