朝食の時間、あおいはスプーンを握ったまま、バナナの黄色をいつまでもじっと見つめている。つぶやくように「ばなな」と言い、そっと指で触れ、また目で追う。食べることより、その色と言葉が重なる瞬間を何度も確かめたいのだろう。